物理学実験
2024年~

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科目のねらい

良き医療人を目指す準備教育においても,自らの身体と頭脳で体験する 実験・実習は貴重であり,欠かせない.この実習の内容は「物理現象と 物質の科学」の一部として,学生自身が自然に問いかけ,測定し,結果を 考察するという体験を通して,物質や現象に理解を深めることを目指している. 一般目標は次の通り.

物理現象と物質の性質,物質間の相互作用に関する基本法則を学ぶ. 物質の成り立ち,原子・分子,化学結合,化合物などを理解する. さまざまな物理現象が,物体の物体の力学的な運動に起因することを 学ぶ.振動と波動現象の特徴と,光と音の基本的性質を学ぶ. さまざまな電磁現象を学び,それらが一組の基礎方程式によって 統一的に記述できることを学ぶ.物質のマクロな性質,物質間の 相互作用,エネルギーと物質の相互作用について学ぶ.

学生へのメッセージ 実習は各自行うので,欠席をしないよう心掛けると共に,実習に取り組む 姿勢が重要であることを念頭に臨んでほしい.
  実験項目 実験内容・到達目標
1 密度

物質の密度を測定する.

ノギス,上皿天秤の使い方を学ぶ.

2 運動量保存則 2つの物体が一直線上で衝突して合体する場合に,その前後で運動量の和 がどう変化するかを調べる。
3 電流・電圧の測定 電荷の流れを電流といい,電流は電位の高い方から低い方へ流れる. この電位の差を電圧という.同じ電圧をかけても少しの電流しか流さない 導体は電気抵抗が大きいという.電流と電圧を測定し,電気抵抗を求める.
4 光の干渉 回折格子にレーザー光をあて,干渉縞を観測する.干渉縞より, レーザー光の波長を計算する.
5 等電位線 黒模造紙上にとった2電極間にある等電位の場所を記録する.
等電位線が引けたら,等電位線に直交するように電気力線を描く.
6 確率試行 医歯学の研究や診断に利用されるRI(ラジオアイソトープ)の核崩壊は確率過程 の例である. このモデルとして,多数の硬貨やサイコロを投げて確率過程をつくり, 半減期の意味や自然界に現れる指数関数的減少過程を理解する. また,片対数グラフの利用法を修得する.
7 音声の波形 音や声の音色(ねいろ)の違いをオシロスコープの画面での波形の違いとして 観測する.また,音声の高さは振動数の大きさに関係するが,どんな複雑な 波形も,基本の振動数とその整数倍の振動数の純音の重ね合わせとして 表せることを知る.
8 放射線 コバルト60を用いて,放射線の強度と距離との関係を調べる.
両対数グラフの使い方を習得する.
9 単振り子 単振り子の周期と糸の長さ,おもりの質量との関係を求める.
単振り子の周期から,重力加速度を求める.
10 ヤング率 2つの支点で水平に支えた金属棒の中点のたわみを測定し,弾性体の ひずみと応力の関係や材質のヤング率を計算する.
11 電流の磁場 電流の近くでの磁針の振れから磁場の強さを測定し,アンペールの 法則や磁場のガウスの法則を説明できる.
12 プランク定数 発光ダイオードに電圧をかけて電流を流す.発光する電圧より プランク定数を決定する.