科目のねらい |
良き医療人を目指す準備教育においても,自らの身体と頭脳で体験する 実験・実習は貴重であり,欠かせない.この実習の内容は「物理現象と 物質の科学」の一部として,学生自身が自然に問いかけ,測定し,結果を 考察するという体験を通して,物質や現象に理解を深めることを目指している. 一般目標は次の通り. 物理現象と物質の性質,物質間の相互作用に関する基本法則を学ぶ. 物質の成り立ち,原子・分子,化学結合,化合物などを理解する. さまざまな物理現象が,物体の物体の力学的な運動に起因することを 学ぶ.振動と波動現象の特徴と,光と音の基本的性質を学ぶ. さまざまな電磁現象を学び,それらが一組の基礎方程式によって 統一的に記述できることを学ぶ.物質のマクロな性質,物質間の 相互作用,エネルギーと物質の相互作用について学ぶ. |
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学生へのメッセージ |
実習は各自行うので,欠席をしないよう心掛けると共に,実習に取り組む
姿勢が重要であることを念頭に臨んでほしい.
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実験項目 | 実験内容・到達目標 | |
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1 | 液体の流れ | 液体が流れるとき,粘性の影響をうける.水平な円管を流れる液体の 流量から,粘性係数を測定する. |
2 | 運動量保存則 | 2つの物体が一直線上で衝突して合体する場合に,その前後で運動量の和 がどう変化するかを調べる。 |
3 | 電流・電圧の測定 | 電荷の流れを電流といい,電流は電位の高い方から低い方へ流れる. この電位の差を電圧という.同じ電圧をかけても少しの電流しか流さない 導体は電気抵抗が大きいという.電流と電圧を測定し,電気抵抗を求める. |
4 | 固体の密度 | 固体をつるしたバネの伸びは,固体の質量に比例する.また,この固体を 水中に入れると固体が受ける水の浮力は,固体の体積に比例する. このことから,固体の単位体積当たりの質量,すなわち, 固体の密度を測定する. |
5 | 等電位線 |
黒模造紙上にとった2電極間にある等電位の場所を記録する. 等電位線が引けたら,等電位線に直交するように電気力線を描く. |
6 | 応力分布 |
光は振動面が進行方向と垂直な横波である. 初めの偏光板から出た偏光の振動面は,ひずみの生じた透明樹脂板の内部 で分離する.これをもう一枚の偏光板を通して観測し, 引張応力と圧縮応力の分布図を描く. |
7 | 光の干渉 | 回折格子にレーザー光をあて,干渉縞を観測する.干渉縞より, レーザー光の波長を計算する. |
8 | 確率試行 | 医歯学の研究や診断に利用されるRI(ラジオアイソトープ)の核崩壊は確率過程 の例である.このモデルとして,多数の硬貨やサイコロを投げて確率過程をつくり, 半減期の意味や自然界に現れる指数関数的減少過程を理解する. また,片対数グラフの利用法を修得する. |
9 | 音声の波形 | 音や声の音色(ねいろ)の違いをオシロスコープの画面での波形の違いとして 観測する.また,音声の高さは振動数の大きさに関係するが,どんな複雑な 波形も,基本の振動数とその整数倍の振動数の純音の重ね合わせとして 表せることを知る. |
10 | ヤング率 | 2つの支点で水平に支えた金属棒の中点のたわみを測定し,弾性体の ひずみと応力の関係や材質のヤング率を計算する. |
11 | 電流の磁場 | 電流の近くでの磁針の振れから磁場の強さを測定し,アンペールの 法則や磁場のガウスの法則を説明できる. |
12 | プランク定数 | 発光ダイオードに電圧をかけて電流を流す.発光する電圧より プランク定数を決定する. |